多くの方はネットや雑誌などで「AGA」という言葉を一度くらいは見たことがあるのではないでしょうか。特に男性では知らない方のほうが少ないかもしれません。AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略で、「男性型脱毛症」のことを言います。
このAGAは30歳前後くらいの男性から徐々に発生する方が増えるようですが、20代半ばでも見られます。このAGAは進行がはやいので、気をつけなければいけません。はやめに対策をすると、AGAは回復させる可能性もあるので、放置しないようにすることが大切です。
ところが、このAGAは男性にだけ起こる脱毛症ではないのです。男性よりは少ないですが、女性にも起こり、「女性男性型脱毛症」、またはFAGA(Female Androgenetic Alopecia)と呼ばれています。
AGAは女性も起こるって本当?
AGAは男性にだけ起こるのではなく、女性にも起こります。「女性男性型脱毛症」と呼ばれます。ローマ字ではAGAの前にFがつき、FAGAと言います。
FAGAの症状は男性型脱毛症になった男性とは違って、生え際はほとんど変わりません。女性のFAGAの場合は全体的に薄くなってしまいます。
症状の出方としては、まず、何となく頭頂部が薄くなったような感じがすることが多いかもしれません。分け目などが広がったと感じ、気が付くことが多いです。進行するにつれその薄い部分が広くなるので、このあたりで多くの方が脱毛症だと気が付くでしょう。やがてはかなり抜け落ちてしまうので、明らかに脱毛症であることを自覚するでしょう。
女性のAGA、つまりFAGAの場合、全体的に薄くなるのが特徴です。ですから、初期のうちは自分も家族も気が付きにくいです。気が付く頃にはFAGAが進んでしまっていることも多いので、すぐに自分なりの治療を考えたほうがよいでしょう。
こんな女性はAGAになってしまうかも!
AGAになりやすい女性の特徴を解説します。あなたは大丈夫でしょうか?
アラフォー以降の女性
年齢的な要素は誰も避けることができません。いわゆる「加齢」による現象です。70歳くらいの女性では全く脱毛症を経験していない方のほうが少ないでしょう。
老化により、徐々に毛包が消失していき、脱毛が進みます。
フケ、かゆみがある
フケや痒みがあるという状態は頭皮が健康な状態ではないということになります。フケや痒みの原因になりうることはたくさんあります。しかし、FAGAになるリスクは高いと思っておきましょう。
頭皮が赤い
髪が多かったり長かったりする場合、頭皮が赤いのは自分ではなかなか見つけにくいでしょう。頭皮が赤くなるような場合は痒かったり、ぶつぶつとできものができていたり、何となく違和感がある場合が多いです。そのような場合、明るい所で頭皮をチェックしてみると良いでしょう
頭皮に匂いがあるような気がする
自分の頭皮の匂いには気が付きにくいものです。もちろん、かなり敏感で自分の頭皮の匂いに気が付いている女性もいるでしょう。けれど、自分が思っているよりも、他の人はもっと匂いを感じている場合もあります。
自分の頭皮に匂いが少しでもあると感じたら要注意です。帽子をかぶることがある方は、その匂いもチェックしてみたらよいでしょう。
ぶつぶつ、湿疹らしきものがある
頭皮にできるぶつぶつというのは、痛かったり痒かったりして気になる場合が多いでしょう。とても大きなできものができてしまう場合もあり、治りにくくて厄介です。治りにくいですが、はやく治すようにしましょう。場所によっては朝起きたら、枕に血の筋がつく日が続いたりすることもあります。
女性のAGAの治療方法
原因によって治療法が違ってくるので注意しましょう。
ぶつぶつがあれば、これをまず治す
頭皮にぶつぶつしたできものができていたり、赤くなっていたりする場合はまずはこれを治療しましょう。すぐにできることは、頭皮にできるだけよけいな刺激を与えないようにすることです。
普段、刺激の強いシャンプーやリンス、コンディショナー、トリートメントなどを使っているのであれば、見直しましょう。
育毛剤をむやみに使わない!使うなら良品を!
脱毛症をはやく治したいからと、慌てて品質をよく確認しないで、適当に育毛剤を購入して使うのは危険です。
日頃からできる対策方法
高品質の育毛剤を使って丁寧にケアをする
FAGAに気が付く時にはかなり脱毛が進んでいることも多いです。40代になり、朝起きた時に、枕に髪がつく量が多くなったかもしれないと感じた時点で、育毛剤を使いはじめましょう。はやくケアし始めるのがFAGAの一番の治療法です。
頭皮に刺激を与えすぎないようにする
パーマ、カラーリング、白髪染め、過度のスタイリングなどを頻繁に行うと、頭皮には刺激になりすぎます。また、せっかくの髪も傷んでしまい、艶がなくなってしまいます。年齢とともに、髪もいたわってあげるようにしましょう。
また、夜眠る前には整髪剤などはキレイに洗い流すようにしましょう。夜眠る前は頭皮を清潔にしましょう。
同じ分け目は避ける
同じ分け目にすると、どうしても頭皮の同じ場所に負担をかけることになります。分け目を変えるというのは、人によってはなかなか難しいでしょうけれど、少しでも違ったところから分ける時間を作りましょう。
紫外線に注意する
紫外線は肌だけではなく、頭皮にも悪影響を与えます。顔はしっかりと紫外線ケアをしているのに、髪や頭皮はノーマークというのは残念です。頭皮も紫外線から守らなければ、ダメージを受けます。頭皮が日焼けして乾燥したりするのは脱毛症の原因になりますので、注意しましょう。
ストレスと上手につきあうようにする
ストレスを完全になくすことは難しいでしょうし、ストレスが全くない状態が必ずしも人生をよい方向に進ませるとはかぎないでしょう。しかし、過度のストレスは様々な不調をもたらします。時々は思いっきりリラックスするように心がけるなどして、ストレスと上手に付き合うようにしましょう。
生活を整える
バランスのよい食生活をする
女性の中には体型を気にするあまり、行き過ぎた食事制限をしている方もめずらしくないでしょう。その食事制限をしている期間が長くなればなるほど、栄養不足に陥ってしまう可能性があります。
食事制限をしている方は時々、自分の食事を見直しましょう。時々は好きなものを食べるようにしたり、バランスにこだわった食事をしてみたりするのもオススメです。
質の良い睡眠を充分にとる
睡眠不足が続くと、段々と体調が悪くなるのが一般的です。若いうちならば、まだ体力で乗り切れるのですが、年齢が上がって体力が落ちると、様々な弊害が出やすくなります。質の良い睡眠を充分にとるように心がけましょう。
飲み過ぎないようにする
お酒の許容量は人によってかなり違いますが、飲み過ぎは肝臓に負担をかけます。肝臓は「物言わぬ臓器」などと言われています。かなりダメージを受けていても、何の症状も出さずに働き続けるから、そのように呼ばれています。
この臓器を酷使し続けてダメージを与えると、肝臓の役割であるたんぱく質の合成がうまくできなくなります。このたんぱく質の合成がうまくいかなければ、髪の毛に必要なたんぱく質もたりなくなってしまいます。
更に、女性の身体は男性よりもアルコールで受けるダメージが大きいと最近ニュースなどで言われています。毎日たくさん飲むのは避けたほうが無難でしょう。
喫煙の習慣があるのならやめる
喫煙は血行を悪くします。血行が悪くなると、頭皮にも栄養を充分に運べなくなります。すると、毛根にも栄養が足りなくなり、髪が抜け落ちやすくなります。FAGAに悩みはじめたら、禁煙をするのが最も効果的な治療法になるかもしれません。
きつい帽子を長くかぶらないようにする
日焼け防止に帽子をかぶるのは良いのですが、きつい帽子を長時間かぶると、締め付けられて、頭皮の血行が悪くなります。また、汗をかきやすくなるので、その後、汗の処理をきちんとしないと、不衛生になりやすくなります。
ツボ押しをする
脱毛症によいツボというのがあります。ツボ押しは自分で、わずかな時間で行うだけで体調が改善されたりするので、少しずつ毎日の生活に取り入れるとよいでしょう。
★百会・・・多くのことに効果があるツボです。このツボは両耳の一番高い所をまっすぐ頭頂まで結んだ所にあります。押すと痛いのですぐにわかるでしょう。脱毛の予防に効果が期待できるツボと言われています。
★合谷・・・両手の親指と人差し指の骨同士が交差する所にあるツボで、圧迫すると結構痛いのではないでしょうか。どこにいても、さりげなく触れる多くのことに効果のある万能ツボなので、覚えておくとよいでしょう。脱毛予防、円形脱毛症などにも効果が期待できるといわれているツボです。
これらのツボを10秒押して、10秒手を放して休み、また10秒押して、というツボ刺激を繰り返しましょう。10回ほど繰り返すと、何となく体が暖かくなり、ちょっとした気分転換にもなるでしょう。素人のツボ押しですから、この程度でも十分でしょう。
女性のAGAであるFAGAはなるべく早く気が付いて、適切な治療方法で、重症化するのを防ぎましょう。