「育毛剤と育毛トニックは、名前が似ているが、一体何が違うのか」そのような疑問を持たれた方は多いのではないでしょうか。
これはどちらも薄毛対策として効果が期待できそうな名前ですが、実はその中身は全くの別のものです。
育毛トニックと育毛剤、それぞれに一体どのような性質があり、どのような目的で使うべきなのか今回の記事では解説していきます。
育毛トニック(ヘアトニック)とは?
ヘアトニックに育毛効果はあるの?
ヘアトニックは、構成成分の50%~70%が水とアルコールです。
かゆみや蒸れといった頭皮に関する不快な症状なくしたり、フケやニオイを防ぐといった効果を持っています。
しかしそれらの効果の中に「育毛」という項目はありません。
では、育毛トニックはどうなのかというと、実は基本的にヘアトニックと変わりません。
「育毛トニック」という言葉は造語で、そのような商品は存在しないのです。
育毛トニックの中には、何らかの髪の毛に良い成分が配合されている可能性がありますが、単純にヘアトニックと同じ意味です。
育毛トニックとヘアトニックは同じもの
では、なぜヘアトニックが育毛トニックと呼ばれるようになったのでしょうか。
これは簡単に言えばメーカー側が販売数を増やすためです。
「ヘアトニックという名前では商品が売れない」と大手化粧品メーカーが判断したため、名前を育毛トニックに変更したのです。
これはだましているとか悪い事ではではなく、言葉のイメージによって消費者を錯覚させ、購入を促すというマーケティング手法の一種です。
つまり、育毛トニックというのはヘアトニックと全く同じで、その中身はほとんどが水とアルコールと香料で作られているということです。
ヘアトニックは血行促進の役に立つ?
育毛トニックを使用すると、頭皮にスースーとした清涼感が感じられます。
「血行が促進されているんだな」とその清涼感によって感じる人もいるかもしれませんが、実は頭皮の血行促進と清涼感は全く関係がありません。
ヘアトニックを使用することによって起こるスースー感を伴う刺激は、アルコールが揮発することによっておこる、熱を奪い取る作用と、配合されたメントールによる刺激のためです。
例えば、注射をする前にアルコール消毒をしますよね。
あの時の感覚を思い出してみてください。
ヘアトニックを使ったとの刺激と似ていませんか?注射の前のアルコール消毒はその名前の通りアルコールを使用しています。
そのため、ヘアトニックと似たような刺激が生まれるのです。
その状態で血行が促進されるはずがありません。
CMなどを見てると、頭皮に清涼感が起こるのと同時に血行が促進されるような映像が使われており、錯覚してしまいがちですが、CMの中ではそういった映像効果が使われているだけで、具体的「清涼感が血行を促進させている」とは言葉で伝えていません。
単なる錯覚なのです。
ヘアトニックの利用目的は?
また、ヘアトニックの目的はかゆみや蒸れを防ぐこと、フケやニオイを防ぐことといった、頭皮に関係する不快な症状を取り除くことが目的です。
その中に育毛という効果は入っていません。
しかし、育毛トニックという名目で販売されている商品の中には、単なるヘアトニックの中に髪の毛に良いとされる成分を数種類配合しているものもあるので、全く育毛に効果がないとは言い切ることもできません。
育毛トニックの使い方
育毛トニックとは何なのかということがご理解いただけたでしょうか。
では次にその育毛トニックを正しく使用する方法をお伝えします。
育毛トニックを使用するタイミング
育毛トニックは、髪の毛を洗った後の使用というタイミングがお勧めです。
シャンプーの直後は頭皮が清潔で育毛トニックの成分が頭皮に浸透するのをさまたげるような皮脂や汚れがないため、このタイミングが最もベストになります。
もし、朝使う方が良いという方は、髪の毛にワックスなどの整髪料をつける前に使用してください。
あるいは、朝と夜の2回使用するという方法もおすすめです。
育毛トニックを使用する手順
シャンプーをする
まず、シャンプーを行い、シャンプーが終わったらタオルで髪の毛を乾かした半乾きの状態にします。
有名なヘアトニックは、噴射力が強いのでノズルの向きをしっかり確かめてから噴射するようにしましょう。
変な方向に噴射してしまうと、壁にシミができてしまったりします。
トニックをつける
片手で育毛トニックを持ち、頭皮に向けて噴射し、もう片方の手で噴射された場所に指の腹を使ってマッサージを行い、すぐに揉みこんでいくという方法がコツです。
トニックをなじませていく
頭皮全体にトニックをなじませていきながら、生え際からつむじの方向に向かって渦巻きを描くようにもみこんでいきます。
その際に強くマッサージしたり、爪でひっかいたりすることがないように気をつけながら優しく馴染ませていってください。
マッサージすることで、頭皮の血行促進の効果もあります。
頭皮全体にトニックがなじませます。
頭皮全体を軽く指の腹で叩く
最後の仕上げに、頭皮全体をトントンと軽く指の腹で叩きます。
すくい上げるような感覚でタッピングをすることがコツです。
また、育毛トニックは髪の毛につけても効果はありません。
頭皮に塗ってこそ大きな効果が見込めます。
なぜなら、育毛トニックの主目的は、頭皮環境整えるということだからです。
髪の毛自体につけてもなんの意味もないどころか、キューティクルが開いてしまいダメージを受けやすくなってしまいます。
そのため、育毛トニックをつける際には、頭皮につけていること意識しながら使用すると良いでしょう。
育毛トニックをつけた後はドライヤーをかけるべきか?
育毛トニックを使用した後、そのまま自然乾燥するべきか、ドライヤーで乾かすべきかを悩む人が多いようです。
育毛トニック使用後は、ドライヤーによって乾かすことをお勧めします。
なぜなら、濡れた状態の髪の毛というのは非常に傷みやすく、キューティクルが開いた状態になっているためです。
濡れた状態のまま生活していると、枝毛や切れ毛の原因になってしまいます。
しかし注意が必要なのは頭皮や毛根まで乾かしすぎてしまうということです。
乾燥させすぎると、皮脂の分泌量が足りないと脳が錯覚し、逆に油症になってしまったり、乾燥が原因の炎症やかゆみが起こってしまう可能性があるからです。
「頭皮がまだ少し湿っている」程度の状態にまでドライヤーで乾かすことがお勧めです。
育毛トニックと育毛剤との併用
ヘアトニックに育毛効果が少ないのであれば、育毛トニックと育毛剤を合わせて使用することで効果が増すのではないか、と考える人もいるようです。
しかしこれはあまりお勧めできません。
なぜなら、育毛を考えるのであれば、育毛剤の使用だけでも十分な効果が見込めるからです。
育毛剤と育毛トニックの2種類を使うことで頭皮に悪い影響が出るということはありませんが、併用するぐらいであれば、育毛トニックにかけている費用を育毛剤にあて、育毛剤の予算を増やす方が髪の毛にとっては効果が高いはずです。
育毛トニックの注意点
育毛トニックという名前から、それには髪の毛を育てる効果が高いのだろうと思われる人がほとんどです。
しかしこの記事で説明したように、育毛トニックの成分が髪の毛の成長を促すということは少ないです。
もちろん商品によっては多少の育毛作用があったり、その効果には個人差があったりしますが、育毛トニックの大きな特徴は、さっぱりとした爽快感です。
これらは、頭皮を清潔にして殺菌する作用もあるので、デオドラント的な効果はあります。
男性特有の匂いや、フケも防ぐことができるので、そういった意味ではおすすめです。
また、育毛剤と比較すると価格帯の安い商品が多いので手を出しやすい頭皮ケア商品の一つといえるでしょう。
「育毛剤を買うほどではないけれど、将来の薄毛が気になる」という若い方が使用することが多いようです。
ドラッグストアでも1000円以下の金額で販売されているので、まだ薄毛になっていないけれども今から予防しておきたいという方は使ってみても良いのではないでしょうか。
しかし、もうすでに薄毛が進行している方は育毛トニックより育毛剤を使用する方が良いでしょう。
まとめ
- 育毛剤とトニックは利用目的が異なる
- 育毛剤とトニックは併用可能である
- トニックは薄毛の予防につながる