育毛方法の中には、初めて聞いた時に「嘘じゃないか?」と思うような方法もあります。
中には科学的根拠のあるものもありますが、単なる都市伝説のような科学的な根拠がないものや、場合によっては逆効果なものもあったりします。
こういった都市伝説や言い伝えのような育毛方法の真実を、この記事では検証していきます。
×間違えた育毛方法
世の中の多くの人が勘違いをしている科学的根拠のない、間違えた育毛方法をご紹介していきます。
これらは、髪の毛が生えると信じて行ったとしても、効果がなかったり、逆に髪の毛が抜ける原因になったりすることがありますので注意してください。
頭皮をブラシで叩く
ブラッシングの際に頭皮をブラシで叩くと髪の毛に良いという噂があります。
これは一体どういった根拠があって生まれた都市伝説なのでしょうか?その原因を辿っていくと、確かに一つの考え方に基づいて使い作られた育毛法なのだということがわかります。
しかしこれは頭皮にとって逆効果でもあります。
実は、ブラシで頭を叩くという行為はもともと、「頭皮を叩くことによって血行を促進し、健康な髪の毛を生やそう」という理論が元となって生まれたようです。
確かに血行を促進することは育毛に効果はあります。
血行が促進されれば、頭皮の毛細血管の隅々まで血液が行き渡り、毛乳頭が受け取る血液の量が増えます。
それに比例して髪の毛に必要な栄養素や酸素が毛母細胞に運ばれやすくなります。
そのため、血行促進自体は育毛に効果的なことは間違いありません。
ブラシで頭皮をポンポンと叩くと、叩かれた部分は赤くなり温度も上昇するため、血行が促進されたような気になります。
そのため、この都市伝説のような育毛法が生まれたようです。
しかし頭皮を叩くということは、育毛にとっては逆効果です。
なぜなら頭皮を叩くことが単純なダメージとなり、皮膚組織の細胞を死滅させてしまうという現象が起こるためです。皮膚組織の細胞が死んでしまうと、抜け毛が増えます。
また叩かれたところに傷ができ、その傷口から雑菌が入り込み炎症を起こしてしまうというケースもあります。
育毛どころか、脱毛を促進させることに繋がりかねない危険な方法です。
海藻を食べる
昔から海藻は髪の毛に良いと言われてきました。
確かに海藻には、上に髪の毛にとって良い成分は含まれています。
しかし、育毛効果や発毛効果ということになると、食べただけで髪の毛が生えてくるといった効果が出る成分ではありません。
育毛の事を考えて食事をするのであれば、海藻をたくさん食べるのではなく、栄養バランスを考えた食事をとるほうがよっぽど重要です。
特に、髪の毛の原料となるたんぱく質を充分摂取し、その後、タンパク質を髪の毛の元となるケラチンたんぱく質へと変質させる働きを持つ亜鉛やビタミンB6を摂取する方が大切です。
つまり、海藻はあくまでも育毛サポートする成分ではありますが、それだけで直接髪の毛が生えてくるというわけではないのです。
そもそも、この「海藻を食べるのは髪の毛に良い」と言う迷信は、海の中をゆらゆらと漂っているワカメの姿を見た人が、「ワカメが髪の毛と似ている」と思い、「これを食べたら髪の毛によさそうだ」と考えたために生まれたものだそうです。
朝シャン
シャンプーという行為は、1日分たまった汚れや汗、皮脂を取り除くために有効な手段です。
頭皮の嫌なニオイも落とすことができます。
しかし、洗いすぎるのはよくありません。
シャンプー剤の中には、髪の毛にとって必要な水分を奪ってしまうほど強い洗浄成分を配合したものもあります。
必要以上に洗うと、汚れだけではなく髪の毛に必要な要素まで奪い取ってしまうということです。
また、朝の忙しい時間にシャンプーをするとついついすすぎが雑になったりします。
すすぎが雑になると、シャンプー剤のすすぎ残しが生まれてしまう可能性が高くなります。
頭皮にシャンプー剤が残ると、それはダメージの原因や炎症の原因になってしまいます。
もう一つの朝シャンが良くない理由は、髪の毛は夜に成長するためです。
夜の10時から深夜の2時という時間帯に、成長ホルモンが活発に分泌されます。
これは毛母細胞を活性化させ、髪の毛の成長も促進させます。
夜の成長ホルモンが分泌される直前の時間帯にシャンプーを行えば、頭皮が清潔な状態で、毛穴に物が詰まってないので、髪の毛は成長しやすいですが、シャンプーをする時間を朝にずらしてしまうと、せっかく成長ホルモンが分泌されても髪の毛が自由に成長できなくなってしまうのです。
できればシャンプーは夜に行い、すすぎは気をつけてしっかりするべきです。
ハゲは遺伝だから諦めるしかない
「父親がハゲてるから自分もハゲるんだ」と思い込んでいる人がいます。
そういった人は、どんなに育毛剤を使っても自分はハゲてしまうんだから、その運命を受け入れるしかないと考えているようです。
しかし、父親がハゲているからといって、その子供も確実にハゲるというわけではありません。
むしろ父親の髪の毛と息子の髪の毛は薄毛という点において、そこまでの遺伝的な影響はないのです。
薄毛になる原因の一つは、「アンドロゲンレセプターの感受性の高さ」です。
詳しい話は割愛しますが、このアンドロゲンレセプターの感受性が高ければ高いほどハゲやすく、低ければ低いほどハゲにくいといえます。
このアンドロゲンレセプターを司る遺伝子は、母親から引き継がれます。
そのため、父親のアンドロゲンレセプターの感受性は遺伝しないのです。
よく「母方の祖父がハゲているかどうかが重要」「ハゲは隔世遺伝する」ということが言われますが、これは母方のおじいちゃんの薄毛遺伝子が、母親を通じて子供に伝わるためです。
また、ハゲの遺伝子を引き継いでしまったとしても、アンドロゲンレセプターに反応する悪玉ホルモンである「ジヒドロテストステロン」の生成を抑えることができれば、薄毛を予防することは可能です。
その他、生活習慣を改善したり、育毛剤を使用したりすることで薄毛の遺伝子を持っていたとしても予防することは十分に可能なのです。
〇育毛方法や生活習慣を改善しよう
当たり前のことかもしれませんが、気をてらったような育毛方法や都市伝説のような薄毛予防法に比べると、生活習慣を見直すということは髪の毛にとって非常に良い効果をもたらします。
しっかりと睡眠をとる
昔から「寝る子は育つ」と言われますが、髪の毛も同じです。
上記の朝シャンの項目でお伝えした通り、髪の毛が最も成長するのは夜の10時から深夜の2時という時間帯です。
この時間帯にいかに上質な睡眠をとることができるかによって、髪の毛の成長は変わってきます。
また、適度に睡眠を取らなければ脳は大きなストレスを感じてしまいます。
ストレスを感じると、免疫力の低下や自律神経の乱れを起こし、抜け毛は増えてしまいます。
バランスの良い食生活
髪の毛の原料となるたんぱく質を摂取したり、髪の毛の生成を助ける亜鉛やビタミンなどを摂取するということは髪の毛にとって非常に大切なことです。
また、普段の生活の中で十分な量の栄養が摂取できない場合は、サプリメントなどを使って効率よく栄養分を摂取することもお勧めです。
運動
ウォーキングやランニング、サイクリングといった、体の脂肪を燃焼させるタイプの有酸素運動は、健康のためや、ダイエットのためにも効果がありますが、育毛にとっても良い効果をもたらします。
最も大きな効果は血行の促進です。
普段運動しない人は、血液が体の中で停滞し、血行不良に陥ります。
頭皮というのは体の末端にあるため、血液が流れにくく、血行不良の影響を受けやすい部位です。
そのため、毛細血管の隅々まで血液が行き渡らなくなり、髪の毛に十分な量の栄養が届かなくなってしまうのです。
運動することによってその血行不良が解消され、健康にも良い影響を与えるので、日常でほとんど運動しないという方も、普段の生活の中でウォーキングの習慣や、ランニングを習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。
頭皮マッサージ
上記でお伝えしたように、髪の毛にとって、血行の促進というのは非常に重要です。
そのため、頭皮マッサージも髪の毛にとって効果はあります。
自分の指の腹を使って、もみ出すように髪の毛を、そして頭皮をマッサージしてください。
その際、爪を立てたり、あまり強く押したりしないようにするのがポイントです。
あくまでも指の腹を使って、優しく行う事が重要です。
頭皮マッサージによって血行が促進され、髪の毛にとって必要な栄養分が届きやすくなります。
育毛剤の活用
民間療法的な治療方法では一度ハゲてしまった部分の髪の毛を生やすことは難しいです。
そういった時には実際に発毛実績のある育毛剤を使ってみてください。
AGAクリニックへ通院するという手段もあります。
特に、化学成分を使用した育毛剤は、副作用の危険性も若干あるものの、育毛にとって非常に効果がありますので、「プロペシア」「ミノキシジル」といった成分を一度調べてみてください。