歳を重ねていよいよ薄毛になってくるのではと心配している方はいませんか。
薄毛はなってから対策するよりも、早め早めに行動を起こした方がより健康的な毛髪を維持できます。
今回はそんな育毛を毛根に注目してご説明いたします。
毛根の2つの種類とは?
毛根に注目して話を進める前に、まず抜け毛の状態に関して前もって知っておく事がありますので、そちらをご説明いたします。
そもそも皆さんは髪の毛が毎日抜けている事をご存知ですか。薄毛が進行していない人でも、髪の毛が1日に50~100本抜けているのです。これはヘアサイクルが関係していて、どんな人にも起こりうる脱毛です。これを自然脱毛と言うのに対して、ヘアサイクルとは関係なく抜けた毛髪を異常脱毛と呼んでいます。
自然脱毛
先ほども説明したように、ヘアサイクルの周期を全て経た上で抜ける脱毛は自然脱毛と言います。
ヘアサイクルと言うのは「成長期」「退行期」「休止期」の3つの周期を繰り返す事を指します。髪の毛が伸びていく成長期が数年間あり、そこから成長が止まって新しい髪の毛が生えてくるのを待つ退行期を数ヶ月経て、休止期には後から生えてきた新しい毛に押し出される形で抜け落ちる事になります。
成長期でしっかり数年間、髪の毛が成長を続けてから抜けていればこの自然脱毛に含まれますので問題ありません。
異常脱毛
自然脱毛に対して、ヘアサイクルの周期が極端に短くなって抜け毛になってしまった場合を異常脱毛と呼びます。基本的にヘアサイクルが乱れる原因は成長期です。
この期間が1番長いはずですが、例えばストレスや運動不足などで血行が悪くなり、髪の毛に十分な栄養が送られなくなると成長が途中で終わってしまって抜け毛になる事があります。この場合は異常脱毛ですので、医師に相談するなり生活習慣を見直すなりの対策が必要になってくるのです。
この自然脱毛と異常脱毛の違いはよく覚えておきましょう。
というのも抜け毛は人によって1日の本数が全然違いますし、時期によってもその本数が変わってきます。そもそも髪の毛が1日に何本抜けたかを完全に把握する事は不可能です。
だからこそ薄毛が進行しているかどうかをチェックするためには、本数ではなく抜け毛の状態、つまり毛根に注目する必要があるのです。自分の抜け毛が急性抜毛根かどうかを確認する必要があると言うわけです。
急性抜毛根(きゅうせいばつもうこん)はどんな状態?
急性抜毛根と急に言われて戸惑っているかもしれませんが、単純に異常脱毛している場合の毛根を指す言葉です。自然脱毛している毛根は慢性抜毛根と呼ばれています。
髪の毛の根っこという非常に小さな部分ですが、髪の毛に関する情報を最も多く持っていると言っても過言ではない場所ですので、これから挙げる急性抜毛根の状態を見つつ、ぜひ自分の抜け毛をチェックしてみてください。
毛根の膨らみが足りない
まず自然脱毛している時の毛根はマッチ棒の先の様に膨らんでいます。なので抜け毛を見た時に根元が膨らんでいれば問題なく、逆に膨らみが無い場合は問題を抱えている事になります。
これは毛根の中心にある毛乳頭が栄養不足になっている時の症状になります。毛乳頭は髪の毛を生成する部分になりますので、ここに栄養が届いていなければ髪の毛を成長させる事ができなくなります。本来なら細胞分裂を繰り返して毛細胞を生成しているから膨らむため、栄養不足になると膨らみが無くなってしまうのです。
毛根に白い付着物がある
これは厳密に急性抜毛根にだけ見られる状態ではなく、自然脱毛でも見かける可能性のある状態です。この白い付着物の多くは頭皮から分泌される皮脂になります。
皮脂は本来なら頭皮を守るために必要な物ですが、1日に複数回に渡って頭を洗ったり、逆に何日も頭を洗わずに放置していると皮脂が過剰に分泌される事になり、毛穴の詰まりを起こす事もあります。
これは急性抜毛根に関係なく起こりうる状態ですので、見つけたら早めにシャンプーを変えるなどの対策を取って抜け毛予防をしましょう。
毛根から細いしっぽのようなものが生えている
これは広い範囲で脱毛する時に起こる急性抜毛根の状態です。アポトーシスという余分な細胞を切り離す時に起こる症状を示していて、主にホルモンバランスが原因の時の脱毛に見られるのです。
ホルモンバランスの乱れが原因となる脱毛症と言えばAGA(男性型脱毛症)で、これはやはり広範囲に広がっていく薄毛の症状ですよね。なので急性抜毛根にしっぽが生えたら要注意ですよ。
毛根部がない
基本的に髪の毛が抜ける時は毛根から抜けますが、場合によってはその毛根部が存在しない場合があります。これは円形脱毛症のように局地的な脱毛症に起こる症状で、主に無理なダイエットなどの生活習慣の変化によって現れる症状です。
無理なダイエットなどで体にいつもとは違う負担をかける事によって、髪の毛が細くなって千切れやすくなるのが原因とも考えられています。
毛根部の膨らみが太く短い
自然脱毛の毛根はマッチ棒の先の様に、楕円形になっています。しかし感嘆詞(!)の様に丸く太い毛根になっている事もあります。こちらは水分が不足している時に表れる症状で、頭皮が乾燥している事になります。
頭皮に適度な潤いを持たせる必要がありますが、水で濡らして放置すれば今度は雑菌が繁殖しやすい環境になってしまうので、この症状が表れた時には育毛剤などで頭皮の環境を整えるようにしましょう。
毛根の色が黒い
毛根は半透明に近い色合いをしているのが基本であり、黒ずんでいる場合は急性抜毛根になります。こちらは白い付着物が付いている時と同じで皮脂が過剰に分泌されている時に見られる症状です。
加えて脂っこい食事が多い方にも見られやすい症状です。シャンプー以外にも食事の栄養バランスによっても皮脂が増える事になりますので、食生活を見直すようにしましょう。
健康な毛根のために
さて急性抜毛根の症状をいくつかご紹介しましたが、意外と普段の生活が原因となっている事が多いのが分かりましたよね。ここでは健康的な毛根を作るために注意すべき生活習慣をご説明します。
まずとにかく血行を良くしていきましょう。髪の毛に栄養を送るのは血液ですので、これが悪いと話になりません。血行が悪くなる原因は多々ありますが、やはり運動不足と喫煙が多くの方に当てはまるかと思います。
運動不足に関しては時間があればできる限り運動すべきですが、そう簡単にできないという方も多いでしょう。ストレッチだけでも良いですがそれ以上により抜け毛の対策をすると言うなら頭皮マッサージが良いでしょう。頭を洗う時についでに頭皮全体を揉み解すだけでもかなり変わってきますよ。
それから喫煙習慣がすでにある方はあまり無理して禁煙しないようにしましょう。無理すると今度はストレスが溜まって結局効果が出ない事になるので、できる範囲で少しずつ進めていく事を忘れないようにしましょう。
そして血行を良くしたら、今度は髪の毛に必要な栄養をしっかりと摂取しましょう。いくら血行が良くても肝心の栄養が無ければ本末転倒です。
髪の毛に必要な栄養はどれも食事で摂取する事になり、大事なのはタンパク質、亜鉛、ビタミンの3つになります。特に亜鉛が不足しやすい栄養ですので、サプリメントを利用する事を考えても良いほどです。食べ物としては大豆食品がお勧めですので、毎日豆腐の味噌汁や納豆を食べるようにしてみましょう。
脱毛と生活習慣と言うのは実はかなり深い関係があるのです。
抜け毛が増えてくると頭皮の状態が悪いと思ってシャンプーを変えたり育毛剤を使ったりと言うのはすぐに思いつくかもしれませんが、実はそれ以外にも気を付けるべき点があるという事をよく覚えておきましょう。血行を良くして髪の毛に必要な栄養を摂る、この2点を守って健康的な毛根を手に入れましょう。
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まとめ
- ヘアサイクルの周期を全て経た上で抜ける脱毛は自然脱毛、ヘアサイクルの周期が極端に短くなって抜け毛になってしまった場合を異常脱毛と呼ぶ。
- 毛根の状態を見れば、頭皮に問題が起きているのか生活習慣を改善すべきなのかが大まかにわかる。
- 血行を良くして髪の毛に必要な栄養を摂る、この2点を守って健康的な毛根を手に入れましょう。