抜け毛・薄毛…と、聞くと男性特有のものとイメージしてしまうかもしれません。
しかし、女性でも抜け毛や薄毛に悩んでいらっしゃる方は大勢いらっしゃいます。その数なんと10人に1人。
そんな貴女がトレンディエンジェルやどぶろっくを見ても笑えるように、その原因を科学的に徹底分析していきましょう。
女性の薄毛や抜け毛の原因ってなに?
男性の抜け毛・薄毛は、ベジータのような生え際のM字状の後退や、波平さんのように頭頂部が薄くなることが一般的なことに対し、女性は髪全体が細くなり、密度が低くなることが特徴的です。
ハリやコシがなくなることでボリュームがでないことや、わけ目が目立つことで気づく女性が多いかと思います。進行すると頭皮がすけて見える状態になります。その大きな原因として加齢、女性ホルモンの低下、生活習慣があげられます。
加齢
加齢とともに毛穴の中にある髪の毛を育てる毛包(もうほう)という器官の構造が変化し、新たに毛を生み出す代わりに皮膚に一部へと変わり、最終的に皮膚から剥がれ落ちフケや垢となってしまうことがわかっています。
最新の研究ではこの毛包の維持に必要なコラーゲンがあることも解明されています。
女性ホルモンの低下
髪の毛の成長には、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが深く関わっています。
髪の毛は、毛穴側にある毛乳頭から、毛根の根っこの部分ある髪の毛の母となる細胞・髪母細胞へ、栄養分や酸素をわたすことで細胞分裂を繰り返えし伸びていきます。
エストロゲンは皮膚側にある毛乳頭に作用し、髪の毛の成長を遅らせる働きをし、抜け落ちるまでの期間を長くします。
出産された方はご経験があると思いますが、妊娠中はとても毛深くなります。これもエストロゲンの働きにより、抜け毛が抑制されるからです。また、産後は女性ホルモンの分泌量が減少するため、抜けずに引き止められていた毛がエストロゲンの減少と共に抜け始め、薄毛へとつながります。
これは産後脱毛症と呼ばれ、産後2~3ヶ月後から症状がみられ、回復には女性ホルモンが安定してくる1年程度かかります。
同様に、更年期障害による女性ホルモンの低下により、抜け落ちるまでの期間が短くなり、薄毛へとつながります。
生活習慣
睡眠不足、偏った食生活、タバコ…。成長ホルモンが分泌されるゴールデンタイムは夜の10時から深夜2時までと言われています。睡眠不足によりこの時間に眠りについていないと、髪を成長させることができません。
また偏った食事やダイエットにより、アミノ酸や亜鉛など髪をつくるために必要な栄養が不足することで、健康な髪が生えにくくなります。
タバコは血行を悪くするので、必要な栄養を頭皮に届けることに悪影響を及ぼします。
また、女性であっても男性ホルモンは体内にあるため、後述する男性ホルモンの影響によって、男性と同じような薄毛に悩まれる方や、ストレスによる円形脱毛症に悩まれる方もいらっしゃいます。
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男女別、なりやすい薄毛の原因
女性の薄毛が、加齢と女性ホルモンが大きな原因であることが多いことに対して、男性の薄毛はDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる変質した男性ホルモンが原因とされています。
男性ホルモンのテストロンが還元酵素と結合して生まれ、遺伝的に毛根の細胞がこの変質男性ホルモンに弱い方が薄毛・抜け毛に悩まれています。
また、男女に共通して、日々の生活習慣やストレスは大敵とされています。
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男性と女性の薄毛の違い
男性の薄毛は、生え際・頭頂部のどちらの薄毛も、毛髪がうぶ毛のように細いまま成長しなくなり、最終的に抜け落ちます。
変質した男性ホルモンDHTが毛乳頭細胞に入ると、入った分だけ髪の毛を作る為の細胞分裂が止まり、一度抜けると新しい髪が生えにくくなってしまうことが特徴です。
それに対し、女性は、ひょろひょろと髪が細くなったり、毛穴から出る毛の本数が減ったりしますが、男性のような遺伝的な影響が少なく、髪の毛を作る機能がなくなることがないため、薄毛が改善されやすい傾向にあります。
女性の薄毛の特徴って?男と女の薄毛の進み方の違いとは(関連記事)
抜け毛を観察して薄毛診断
毛髪は成長と脱毛を繰り返すヘアサイクル(毛周期)に沿って抜けたり生えたりを繰り返しており、健康な状態でも1日に100本程度の抜け毛はあります。
ですが、自分で、自然な抜け毛なのか、薄毛による抜け毛なのか判断することはなかなか難しいのではないでしょうか。
そんなときは、抜け落ちた髪の毛根と太さを観察することで判断がつきます!
通常健康な毛根は髪の毛よりも太く、丸みを帯びています。この毛根を持ち、髪も太ければ問題はありません、通常の抜け毛です。
しかし、毛根はしっかりあるのに、髪の毛が短くて細い場合は、生えてからすぐ抜けてしまった毛髪なので、男性ホルモンによる男性型脱毛症(AGA)の可能性がとても高いと言えます。
また、髪の毛は太く、一見して問題ないようにみえる毛でも、毛根から細いひげのようなものが出ている場合、まだ髪の毛が成長しきっていない段階で抜けてしまった抜け毛です。
このような抜け毛が多い場合には脱毛症になっている可能性が疑われます。
そして、毛根がない・髪の毛よりも細い場合は、毛根を成長させる細胞が機能していない可能性があります。
薄毛対策のつもりが薄毛の原因になっていた?
一度気にし始めると、気にしすぎて普段よりブラッシングを多くしてしまったり、シャンプーをしすぎたりしていませんか?
または、ブラッシングの回数やシャンプーの回数を減らして、現実から目をそらしたいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実はブラッシングもシャンプーも回数を減らしても、抜け毛対策にはなりません。
一回その回数を減らしても、次にブラッシングやシャンプーをしたときにまとめて抜けるだけという悲しい現実があります。
ブラッシングやシャンプーによる髪への刺激よりも、しないことによる毛穴の汚れのほうが髪への負担が大きいので、回数を減らす必要はありません。
では、回数を増やすことはどうでしょう。
薄毛の対策をして、先ほど述べましたように頭皮を清潔にすることは大切ですが、シャンプーをしすぎることにより必要な皮脂までなくなってしまうことが考えられます。必要な皮脂がなくなると、頭皮が乾燥して、フケやかゆみの原因となります。また、濡れている状態というのは髪にとってキューティクルが開き、無防備な状態です。
自然乾燥より濡れている時間の少ないドライヤーによる乾燥のほうが髪によって負担は少なくなりますが、刺激をうける回数が増すことで髪の毛がダメージを受けます。
このダメージは髪の毛を細くさせてしまうため、同じ本数でも薄毛にみえてしまいますので、シャンプーは1日1回までにしたほうがよいといえます。
次に、帽子について検証してみましょう。
頭皮の蒸れは確かに薄毛の原因となります。そのため通気性をよくしようと帽子をかぶらない方がいらっしゃいますが、問題は帽子をやめたことで紫外線によるダメージです。
紫外線をたくさん浴びると髪のキューティクルが変質し、はがれやすくなります。また、肌と同じように日焼けは頭皮を乾燥させ、弾力を低下させてしまします。
頭頂部は日が当たりやすいので、帽子をやめるのではなく、メッシュの帽子や日傘などで通気性を確保し、紫外線から守ることが正しい薄毛対策と言えます。
まずは気にしすぎないことが大事です。原因がわかれば対策ができます。ご自分の髪の状態をしってできることからしていきましょう。