多発性円形脱毛症とは?よく耳にする円形脱毛症と何が違う?

「円形脱毛症」はその名の通り、円形状に脱毛してしまう症状のことです。
その大きさによって「10円ハゲ」とか「500円ハゲ」などと呼ばれることがあります。
場所によっては周りの髪の毛で隠すこともできますが、その原因も様々なので、いつ、誰に発症するかも分からない困った症状の1つでもあります。

今回取り上げた症状は「多発性円形脱毛症」です。「多発性」という言葉がつくと、普通の円形脱毛症とどこが違うのでしょうか。

多発性円形脱毛症とは?

多発性円形脱毛症は円形脱毛症のひとつです。円形脱毛症は、脱毛部位の数や大きさなどから単発型・多発型・全頭型・蛇行型に分けられます。頭部に脱毛部位が複数できたものを多発型円形脱毛症(ここでは多発性円形脱毛症)といいます。基本的に、毛が脱毛する以外の症状は現われませんが、一部の方では脱毛前に軽いかゆみなどを感じることがあります。頭部全体の25%以上が脱毛している場合、重症と考えることが多いようです。

以上の特徴があるので、一部が治ったとしても他のところが脱毛したり、そうこうしているうちに、再び同じ場所が脱毛してしまったりすることもあります。運が悪ければ2つの多発性円形脱毛症が1つに合体し、大きな脱毛症になってしまうこともあるようです。
普通の円形脱毛症なのか、多発性円形脱毛症なのかを素人が判断することは難しいのですが、多発性円形脱毛症は複数の円形脱毛症が同時進行で発症してしまうので、できるだけ早期治療を始めることが重要だと言われています。

多発性円形脱毛症の原因は?

日本皮膚科学会が発表している「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」によると、円形脱毛症の発症頻度に男女差はありません。性別を問わず、全年齢で発症する恐れのある疾患と考えられています。多発性円形脱毛症はどのような原因で引き起こされるのでしょうか。

常在菌の増殖

頭皮に限った話ではありませんが、人間の頭皮にはたくさんの常在菌がいます。これらは皮脂や汗などを栄養として生きているので、頭皮を不潔にすると、常在菌が異常増殖をする可能性があります。頭皮にかゆみがある人なども同様です。

真菌や白癬菌の増殖

多発性円形脱毛症

この2つの細菌を平たく表現すると、「真菌=カビ」「白癬菌=水虫」ということになります。名前からは想像しにくいものですが、これらの菌は頭皮に付着することもあれば、そのまま増殖することもあります。もちろん、増殖しやすい温度や湿度があるので、条件がそろってしまうと簡単に増殖してしまうのです。例えば、帽子カツラなどを使用する人は、これらも清潔にしておかなければなりません。汗を吸い込みやすいなども要注意です。

生活リズムの乱れ

食生活や睡眠など、生活リズムが狂ってしまうと、体の抵抗力が落ちてしまいます。そうすると、先ほど紹介した細菌などが付着した場合、頭皮が細菌に負けてしまい、一気に増殖=脱毛への第一歩となってしまう可能性があります。
また、生活が夜型の人は低体温になる人が多く、抵抗力が元々低い場合もあるそうです。成人でも成長ホルモンは分泌されているのですが、22時~4時頃は成長ホルモンが多く分泌されると言われています。この時間帯に起きていることは間違いなく頭皮に悪影響を与えることになるようです。

精神的ストレス

精神的なストレスが様々な症状を引き起こすことは有名です。実はその症状の1つに脱毛があります。人はストレスを感じることで自律神経が緊張してしまいます。緊張した自立神経は血管を収縮してしまうので、血流が悪くなります。これは頭皮の血流とも関係しており、毛根への栄養運搬が妨げられるので、脱毛しやすい状態になってしまうようです。

自己免疫による暴走

多発性円形脱毛症

自己免疫とは別名「抵抗力」とも言われます。人は常に様々な菌やウイルスの危険に晒されています。呼吸をするだけでも多くの菌やウイルスが体内に侵入しており、白血球をはじめ自己免疫がそれらを退治してくれているわけです。
ただ、ごく稀に自己免疫細胞が毛根細胞を異物であると誤認することがあります。一旦異物と認識されてしまうと、自己免疫による毛根細胞への攻撃が執拗に繰り返され、脱毛を促すことになってしまうのです。

遺伝

過去の調査により、多発性円形脱毛症を含む円形脱毛症は家族内での発症が多いことが分かっています。円形脱毛症を発症した方と関係が近い方の発症率が高いので、多発性円形脱毛症を含む円形脱毛症の発症には遺伝が関わっていると考えられています。よって、遺伝も原因のひとつということが出来ます。

はっきりとした原因は不明

以上の原因などが疑われているものの、多発性円形脱毛症を含む円形脱毛症のはっきりとした原因は分かっていません。現在のところ、円形脱毛症を発症しやすい体質を受け継いだ方が肉体的・精神的ストレスをきっかけとして発症する自己免疫疾患とする説が有力視されています。

自己免疫疾患とは、本来であれば身体を守るはずの免疫が誤って自分の身体を攻撃してしまう疾患です。円形脱毛症では、リンパ球が誤って成長期の毛包を攻撃すると考えられています。髪の毛が抜けると再び生えてこないと思ってしまいますが、リンパ球に攻撃された毛包は生きています。よって、攻撃が治まれば髪の毛は再び生えてきます。

残念ながら、なぜリンパ球が毛包を攻撃するかは分かっていません。また、発症の引き金となる肉体的・精神的ストレスなどが見当たらないケースもあります。よって、ストレスが発症にどの程度関わっているかは不明です。最近では、ストレスと円形脱毛症に深い関わりはないと考える専門家もいるようです。

多発性円形脱毛症になりやすい人とは?

多発性円形脱毛症には様々な原因があることが分かりました。具体的に、どのような方が発症しやすいと考えられているのでしょうか。

太っている人

食生活が乱れている可能性があり、運動不足も懸念されます。必要以上に摂取しているは毛穴から皮脂として多く分泌され、それを栄養とする菌の増殖が考えられます。そうすることで脱毛しやすい環境に近づいてしまうのです。

不潔な人

不潔な人は頭皮に皮脂などが残り、それを栄養とする菌の増殖を手助けすることになります。気をつけて欲しいのは、毎日洗髪をしている人でも、頭皮が不潔である可能性があるということです。例えば、洗髪の仕方が間違っている人や雑な人。洗髪後の髪を自然乾燥することで頭皮の湿度を高め、菌の増殖を促してしまう場合があるからです。

夜型生活の人

自己免疫力を高めるために必要なものの1つに成長ホルモンがあります。これが最も置く分泌される時間帯が22時~4時と言われているので、その時間に活動している人は、成長ホルモンが十分分泌されない可能性があるのです。こうなると脱毛の原因となる細菌に対抗するための自己免疫力が低下してしまうわけです。

まじめで気の弱い人、ネガティブな人

まじめで気の弱い人は、ちょっとしたことでもストレスを感じてしまうことがあります。これは自律神経に大きな影響を与えることにつながり、血流の低下、毛根細胞の衰弱を引き起こします。こういうタイプの人は、一旦脱毛症を発症すると、そのことに悩んでしまい、食欲不振や睡眠不足など負のスパイラルに陥ってしまうことが多いようです。

友達や趣味が少ない人

一見、脱毛と関係ないように思うかもしれませんが、友達や趣味と脱毛は密接な関係があります。厳しい現代社会を生きる人たちにとって、ストレスは避けて通れないものだと言えます。大切なことは、それをどう発散するかということです。ストレスの発散方法は人それぞれですが、やはり友達がいないと家に引きこもりがちになるでしょうし、趣味が少ないと気分転換もしにくいため、ストレスがたまりやすくなるのです。

乾燥肌、または脂性の人

乾燥肌の場合はかゆみを伴うことが多く、無意識のうちに頭皮を掻いてしまうことがあります。もちろん、これは頭皮にとっても毛髪にとっても良いことではありません。頭皮に傷が付くと、そこが炎症を起こしたり、細菌増殖の温床となってしまったりすることになります。
また、脂性の人は毛穴に皮脂が詰まりやすく、細菌増殖の手助けをしてしまうことになります。

近親者に円形脱毛症の方がいる

多発性円形脱毛症を含む円形脱毛症は、家族内の発症が多いと考えられています。家族や近親者に円形脱毛症を発症した方がいる方は注意をするほうがよいかもしれません。ただし、家族や近親者に円形脱毛症の方がいるからといって必ず発症するわけではありません。あくまでも、リスクが高いといえるだけです。

アトピー性疾患

多発性円形脱毛症を含む円形脱毛症は、アトピー性疾患を合併することが多いと考えられています。同様に、橋本病などの自己免疫疾患を合併することもあると考えられています。これらの疾患を患っている方などは、多発性円形脱毛症を含む円形脱毛症に注意が必要です。

多発性円形脱毛症の対策方法

それでは、もし多発性円形脱毛症になってしまった、またはその疑いがある場合はどのように対策すればいいのでしょうか。

専門医に診てもらう

やはり専門医の診療や処方される薬の効果は絶大です。中には健康保険が適用される治療法もあるので、しっかりと専門医に相談すると良いでしょう。ここで言う専門医とは、基本的に皮膚科を指しますが、中には脱毛や発毛専門の医師もいるので、事前にリサーチしておきましょう。

医療機関で受けられる治療

はっきりとした原因が分かっていないので、円形脱毛症に特効薬はありません。症状や経過した期間などを加味しながら治療を行います。

症状が固定されていてそれほど重くない成人の多発性円形脱毛症にはステロイドを脱毛部位に注射する治療、脱毛部位が融合していない多発性円形脱毛症には脱毛部位にステロイドを外用する治療、症状が重い多発性円形脱毛症には人工的にかぶれを起こす試薬を脱毛部位に塗布して免疫を刺激する局所免疫療法などが行われています。

これらの治療以外にも様々な治療が行われているので、まずは医師に相談することが重要です。気になる症状が現れている方は、出来るだけ早く医療機関を受診しましょう。

カウンセリングを受ける

ストレスなど精神的な負荷から発症することがありますが、そのストレスをうまく発散できない人もいます。このような精神的なサポートは、その専門医であるメンタルクリニック診療内科などのカウンセリングを受けると良いでしょう。自分自身や友人などのアドバイスも重要ですが、距離が近すぎる分、偏ったサポートになりがちです。やはり医学の知識を持ち、客観的なアドバイスをくれる専門医のカウンセリングはとても有効な手段だと言えます。

また、抜け毛や脱毛の専門医に相談するのもひとつの手かもしれません。

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生活リズムの改善

いくら専門医の力を借りても、本人の意識改革がなければその効果も発揮されにくく、長続きもしません。食生活や睡眠時間などを規則正しくすることを徹底すると良いでしょう。また、できれば朝型生活にしていきたいところですが、仕事の関係でどうしても夜型になってしまう人は、運動などを意識して、できるだけ体を動かすようにすると良いでしょう。

多発性円形脱毛症は、本当に小さな円形脱毛症から始まります。自分でも気付きにくい症状ではありますが、それでもできるだけ早期対策をすると治る可能性が高くなります。治療は根気強く、継続することでその可能性をさらに高めることもできます。

 

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